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今月の特集第9回『ハートに届くコミュニケーションテク ~患者・家族篇~』

「何回言っても、聞いてもらえない」「なぐさめたら、怒らせちゃった!」「あれ、全然ちがう意味にとられた」なんて、患者さんやご家族とのコミュニケーションに悩んでいませんか?そんなあなたのために、良好な関係を築くためのコミュニケーションテクニックをご紹介します。

求人側はコミュニケーション能力を重視

患者さんやご家族に対するコミュニケーション能力は、大事な看護技術のひとつ。さらに最近はインフォームド・コンセント(※1)が重視されるようになったことから、看護師をはじめ、薬剤師、介護士など医療に関わる者にはコミュニケーション能力が強く求められるようになりました。求人側に「採用時に重視する業務上必要な能力」について集計した調査でも、患者さんや病院スタッフとのコミュニケーション能力を重視する傾向が見えます。

採用時に重視する業務上必要な能力

常勤看護師では「患者・顧客に対する接遇能力があること」が56.2%、「看護技術が確かであること」が53.9%、「患者・顧客への説明能力等があること」47.7%。非常勤でも同様でした。また訪問看護ステーションでは、他の施設と比較して、常勤・非常勤いずれの職員に対しても「アセスメント(※2)の能力があること」をあげる率(常勤53.2%。非常勤44.8%)が高い傾向にありました。

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患者さんやご家族とイイ関係を築くテクニックのコツは?

患者さんが感じている痛みなどを知るにも、患者さんやご家族の心を癒すにも、また患者さんが治療に前向きに取り組むよう支援するにもコミュニケーションテクのよしあしが大事。そこで、医療コミュニケーションにくわしい、リエゾン精神科医(※3)の保坂隆先生にコツなどを教えてもらいました。

座る場所選びから始まるカウンセリング的コミュニケーション

カウンセリングと聞くと、本格的に専用の部屋で時間を予約して…といったイメージで捉えていませんか?でも考えてみると、看護師の患者さんやご家族とのコミュニケーションのほとんどがカウンセリングの面を持っていますよね。保坂先生はカウンセリング的コミュニケーションのコツについて、まず図を示しながら、座る位置の重要性を指摘されました。

カウンセリング時に座る正しい位置は?

「座る位置は、相手と90度の位置にあるBが正解です。Bの座り方なら、必要に応じて、目を合わせたり、そらしたりできますからね。正面で顔を合わせるAでは尋問のようになってしまいます。Cは恋人同士のような親しい関係の座り方です」(保坂隆先生)

「聞く」ではなく「聴く」 傾聴はカタルシスを目指す

「単に耳から音が入ってくる『聞く』と、注意深く、一所懸命に『聴く』ことは違います。相手の立場や相手の価値観に立って話を聴くことが傾聴の基本です」(保坂隆先生)

「傾聴」という言葉はしばしば耳にしながら、「忙しい業務の中で、ゆっくり話を聞く時間は取れない」と、傾聴することをあきらめていませんか?同じ時間でも、集中して相手の話に耳を傾ければ、相手の満足感は違います。傾聴において大事なことは、助言、アドバイスをしない、お説教をしない、自分の考えを押しつけない、すぐに結論を出さないこと。「相手の立場、相手の価値観に立って話を聴く」ことで共感を心がけます。押しつけはダメです。

では、黙って話さないほうがよいのかといえば、そうではありません。無言で、無反応では、聴いてくれているとは感じてもらえませんから。表情や身振り、姿勢はもちろん、相づちなどの声のトーンや大きさなどで、相手に対する支持を伝えましょう。「気持ちが整理できてよかった」、「スッキリしました」といった、カタルシス効果を感じさせる言葉が相手から出たら、それは傾聴が成功した証です。

相手の考え、行動を引き出す 話し方のテクニック

保坂隆先生糖尿病や高血圧など生活習慣病の患者さんに生活習慣を改めてもらう(=行動変容)指導を行う際など、つい、命令口調やお説教みたいになっていたりしていませんか? 行動変容をはじめ、相手の考えや行動を引き出そうとするときの話し方にはいくつかのテクニックがあります。

「たとえば質問する際は、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを織り交ぜることが大切です」(保坂隆先生)

オープンクエスチョンは相手が自由な言葉で返事ができる「どうしました?」、「どんなふうに?」などの質問で、自由に話せるだけに時間がかかったり、話がそれてしまいがち。対してクローズドクエスチョンは「はい」か「いいえ」でしか答えられない質問で、短時間で情報を集めるのには向いていますが、相手に尋問されているような気分を与えてしまいがち。だから両方を上手に織り交ぜるのがコツです。

こちらが結論を出さず、相手に気づきをもたらすには、いくつかのスキルで相手をサポートすることが大事です。たとえば、患者さんの訴えや話が一区切りついたときに「…と、とても辛かったのですね」、「…という痛み方だったのですね」と相手の使った言葉を繰り返したり、相手が使った言葉とは違う言葉で言い換えたりします。これらは共感のスキルとも言えます。

一方、より治療的な関与としては、物の見方を変える「リフレーミング」があります。たとえば、「失敗して落ち込んでいるんです」と相手が言った場合、友人同士の普通の会話なら「済んだことだから、もう忘れなさいよ」と言っても十分なサポートになりますが、リフレーミング的な返答は「貴重な体験になって次は成功するわね」という具合に、より積極的にサポートを行います。

どこまでも、相手が主体だということを忘れずに、上手なコミュニケーションを心がけていきましょう。

プロフィール

東海大学医学部基盤診療学系教授(精神医学)
保坂隆先生

慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神科入局。1990年より2年間、カリフォルニア大学ロスアンゼルス校(UCLA)精神科留学。2003年、東海大学医学部精神科教授に。日本総合病院精神医学会理事、日本サイコオンコロジー学会理事、日本ヘルスサポート学会理事、日本スポーツ精神医学会理事、米国心身医学アカデミー評議員など。著書には「ナースのストレス」(南山堂)、「こころをとらえるナーシング」(星和書店)、「スキルアップのための医療コミュニケーション」(共著・南山堂)、「コミュニケーションの上手な方法」(共著・照林社)ほか専門書、一般書など多数執筆。

■注釈
  • ※1 「インフォームド・コンセント」:患者自身が病気と医療行為について“知る権利”があり、治療方法を自身で“決定する権利”を持つこと
  • ※2 「アセスメント」:看護をするうえで、患者等から情報収集した事柄を分析し、問題点を明確にすること
  • ※3 「リエゾン精神科医」:リエゾンとは連携、連絡などの意味を持つ言葉。精神科の外来や病院・病棟だけにとどまらず、さまざまな臨床各科と密接で定期的な連携をとりながらチーム医療に貢献する精神科医。
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